蜜愛シンドローム ~ Trap of Kei ~
青ざめた絢乃の背を、慧はトンと壁に押し付ける。
そのまま絢乃の両耳の脇に手をつき、じっと絢乃を見つめる。
・・・瞳越しに流れ込んでくる、嫉妬と───熱情。
この間の瞳とは全く違う、熱く燃えるような瞳。
その激しさに、絢乃は思わず息を飲んだ。
「・・・まさか、アヤがあいつとここに来るとはね・・・」
慧は絢乃を見つけながら、掠れた声で言う。
絢乃は呆然と慧を見つめていた。
・・・何も、考えられない。
目を見開いたままの絢乃に、慧はその形の良い唇を歪めて、くすりと笑う。
「・・・おれに、見せつけに来たの?」
「・・・え?」
「あいつといるところを。・・・あいつとここに、泊まる予定だったわけ?」