蜜愛シンドローム ~ Trap of Kei ~
「アヤ。・・・聞いて?」
慧は絢乃の目尻に、羽根のような優しい口づけを落とす。
・・・熱く、しっとりした唇。
慧は絢乃の首の後ろに手を回し、そっと抱き寄せた。
汗ばみ、少ししっとりした絢乃の長い黒髪が、シーツの上でさらさらと音を立てて動く。
慧は絢乃をじっと真剣な目で見つめ、掠れた声で囁いた。
「・・・おれはね、ずっと昔からお前に惚れてた」
慧の瞳が至近距離で絢乃を覗き込む。
・・・その瞳に映る、激しい恋情。
揺らめく灯火のような熱を帯びたその瞳に、絢乃は自分の心が吸い込まれる気がした。
「お前が可愛すぎて・・・おれはお前に夢中だった。ずっと昔から・・・」
慧の言葉が絢乃の胸に染みこんでいく。
・・・慧の心の奥底から吐き出された、真実。
哀しいまでの切なさに満ちた、その真実。
───絢乃の胸の奥から、熱いものが溢れ出してくる。