舞い散る花の導く先に
「こいつは、雅じゃねえ・・・・」

「え？」

その場にいた誰しもが驚いた声を上げる。

「確かに似ているがこいつは雅じゃねえ。平助、その手を離してやれ。」

「あ、うん」

土方に言われて私の首に回っていた腕が離れる。

「けほけほっ！！」

締め付けが解放されて酸素がいきなり入り私はその場にしゃがみ込み咳き込む。

正確に言えば立っているほどの余力がなかった。

そっと土方が私の目線に合わせてしゃがみ込む。

「すまなかった。人違いだったようだ。」

私はいろいろ聞きたいことがあったがうまく声が出なかった。

「こいつを巻き込んじまったか。」

土方は独り言のようにつぶやく。

「おい、立てるか？今からお前にすべてを説明する。だから屯所内にきてもらう。」

そう言って土方は私にすっと手を差し伸べる。
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