舞い散る花の導く先に
「おおっと!!自己紹介がまだだったな!!俺は新撰組局長、近藤勇だ。」

「私は新撰組、総長山南敬介と申します。」

武士道を嗜む者はいつも礼儀を尽くしてくれる相手にはきちんとした礼儀を返すのが常識である。

そう、父上に教え込まれた。

そして、信長様にも。

それはたとえどんな相手であっても変わらない。

私はすっと背筋を伸ばす。

「白雪 呉羽と申します。以後お見知りおき願いいます。」

そしてすっと頭を下げする。

その呉羽の姿にその場にいた誰しもが息をのむ。

まるで一輪の花のように凛とした態度。

その姿に誰しもが目を奪われたのだ。

近「まず、呉羽君には妹の雅ちゃんのことを話さなければならないな。」

私は「こくんと頷く。」

山「雅さんには密使にかかわっていただいていました。」

呉「密使に?」

山「はい。そして、ある日雅さんは密使の途中に姿を消しました。その場にいた数人の仲間を殺して。」

呉「っ!?」

私はあまりのことに言葉を失う。



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