舞い散る花の導く先に
「はじめっ!!」
私が大きな声を発すると一斉に稽古が始まる。
私の家は武士だ。
残念ながら男はいない。
だから私がこうして稽古をつけている。
自慢ではないがそこら辺の人には負けないほど剣には自信がある。
よくお父様にお前が男だったら、と嘆かれていた。
そんなお父様も昨年戦でなくなり、お母様も病気で亡くなった。
唯一の肉親の妹も今はどこにいるかわからない。
だから私がこの家を必然的に次ぐことになるのである。
「そこまでっ!!」
声を合図に一斉に稽古をやめる。
今日の稽古はここまでだ。
私は汗を拭いながら道場を後にする。