舞い散る花の導く先に
廊下を歩いていると向こうから原田さんと平助くんが歩いてきた。

呉「原田さん平助くん、これから巡察ですか?」

原「ああ、それより呉羽、俺の羽織知らねえか?」

呉「あっ!」

私は急いで部屋へ戻り羽織を取ってくる。

呉「ごめんなさい。敗れていたので繕っていたんです」

原「これ、お前が繕ったのか?」

2人は驚いたように羽織を見つめる。

呉「あ、はい」

平「すげえ・・・呉服屋が縫ったみたいだ・・・」

原「ああ。呉羽お前すごいな」

ほめられて私はおもわずはにかむ。

原「じゃあいってくるな」

呉「気を付けてくださいね」

そう言って私は部屋へ戻った。

平「ちえ。左之さんばっかり呉羽と話してずりぃよなあ」

平助の声は呉羽には聞こえていなかった。

< 42 / 128 >

この作品をシェア

pagetop