舞い散る花の導く先に
さらり
“起きなさい呉羽”

名前を呼ばれて目を覚ます。

「んっ・・・・」

体が重い・・・だけど不思議と体の痛みはなかった。

“いつまで寝ているの?”

「あなたは・・・・」

目を覚ました先にいたのは前世の私。濃姫だった。

“現世の私はずいぶんとひ弱になったみたいね”

「なっ!!そんなことないわ!!!」

“それならば起きなさい。あなたには、現世で信長様を探すという目標があるのでしょう?”

「わかっているわ。でも、不思議ね。同じ自分なのにこうして話していると違う人みたい」

“当り前よ。あなたはわたしであって私ではない存在。”

「え?」

“さあ、起きなさい。そうしないと後悔するわよ?”

濃姫にそう言われて私の意識はゆっくりと覚醒する。

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