舞い散る花の導く先に
呉「私は、呉羽。前世は魔王と呼ばれ、本能寺の変で命を落とした織田信長の妻、濃姫です」

呉羽の言った言葉に誰もが固まる。

土「濃姫だと・・・?」

呉羽は静かに頷く。

まるですべてを諦めているかのような瞳で。

受け入れてもらえるはずがないという横顔で。

沖「つまり、呉羽ちゃんは濃姫の生まれ変わりってこと?」

呉「はい」

原「じゃ、なんだ?その、鬼神姫っていうのは」

呉「鬼神姫は私の戦場での呼び名。私は時々戦に出て信長様と戦っていたのです」

ぎゅっと手を胸の前で握りしめる。

そんな姿をみて誰もが呉羽は迷子のようだと感じた。

時代に取り残されようとしている呉羽。

その姿はまるで親元からはぐれてしまった幼子のように頼りない。

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