舞い散る花の導く先に
土「じゃあこれからもお前は信長を探し続けるのか?」

呉「はい。」

原「お前は探さなければいけない人間ばっかりで大変だな。」

そう言って原田さんはぽんっと頭を撫でてくれる。

呉「みなさん、今の私の話を聞いてどうおもいましたか?」

土「どうって、昔の話だと思って聞いたが?」

私は土方さんの言葉に驚いて顔を上げる。

呉「お、おかしいって思いませんか?いきなり生まれ変わりとか、濃姫とか言われて!!」

原「あはは。なあに焦ってるんだよ。誰もお前をおかしいなんておもっちゃいねえよ」

一「ああ。それに、お前からはただの待ち人ではない雰囲気が伝わってくるからな」

呉「え?」

土「心配するな。誰もお前の話を疑ってなんかねえよ。むしろ疑問が解けてよかった。」

沖「だからそんな不安そうな顔をしなくていいんだよ?」

はらはらと涙があふれてくる。

どうしてこんなにもこの人たちは優しいのだろうか?

どうして私の言葉をなに一つ疑わず信じてくれるのだろうか。

呉「あり・・・がとう・・・ございますっ・・・」

涙を拭うために私は両手で顔を覆う。

誰かがそっと優しく肩を包んでくれる。

この優しい手は誰だろう?
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