舞い散る花の導く先に
沖「体は大丈夫?あのあと倒れたんだよ?」

呉「あ、大丈夫です。ご心配をおかけしてすみません」

慌ててぺこりと頭を下げる。

沖「大丈夫だよ。それより、こんな夜更けにどうしたの?」

呉「いえ、夢をみて目が覚めたので少し外の空気を吸いたいなって思って」

するとそっと沖田さんは私の頬の涙を拭う。

呉「あっ・・・」

沖「悲しい夢でもみたのかな?」

呉「いえ、昔の夢です」

沖「信長との?」

呉「はい。とても懐かしい夢でした」

沖「もし信長と現世で出会ったらまた結ばれたい?」

突然の質問に言葉が詰まる。

沖田さんはまっすぐ私の瞳を見ている。

呉「私は・・・・」

ざあっと桜が舞う

いや、桜が舞ったような気がしただけで実際は風が吹いただけだったかもしれない。

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