舞い散る花の導く先に
私は赤い顔を覚ますように走った。

沖田さんったらすぐに私をからかうんだから。

そんなことを思いながら土方さんの部屋の前に立つ。

呉「土方さん。呉羽です。いまよろしいですか?」

土「ああ」

返事を聞いて扉を開ける。

呉「土方さんおはようございます!!」

土「なんだ、今日はえらい元気じゃねえか」

穏やかに土方さんはこちらに視線を向ける。

呉「近藤さんが今日はお花見をするそうです!!」

嬉しくてつい言葉が弾む。

土「花見?」

呉「はい!!」

土「ったく、この忙しいのに・・・」

すこしため息をつきながら顔を上げる。

だけどことばとは裏腹に表情は優しいものだった。

土「あの人はいつも急だからしかたがねえか。よし、俺もいま手伝いに行くから先にいっててくれ」

呉「わかりました!!」

私は勢いよく返事をして台所へとむかった。
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