舞い散る花の導く先に
鋭い視線を私に向ける男。

私はひるむことなく視線を受ける。

「なぜ逃げる。」

私は答えない。

「ほお。黙秘を通すか。どうなるのかわかってそう言うことをやってるんだろうな?」

「土方さん。いいじゃないですか。一度もう脱走した人間なんだし、殺しちゃいましょうよ。」

最初に出会った男が私に視線を向けている男に話しかける。

土方、というらしい。

「総司、てめえはすぐに殺そうとするんじゃねえよ。こいつには吐いてもらわなきゃならねえ話があるんだからな。」

土方がたしなめる。

雲で隠れてよく顔は見えないが整った顔立ちをしていると思う。

どうにか、逃げれないだろうか?

そう思い一歩後ずさる。

「逃がさねえよ。」

「きゃっ!!」

さっきまで倒れていた男がの首に手を回し逃げれないようにする。



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