大人的恋愛事情 SS
そんな事を延々考えながら、3杯目のカクテルを飲み終えたところで、総務での仕事内容を話している繭に視線を向けた。
「なあ……」
「うん?」
同じく視線をこちらに向ける繭。
潤んだ目は酔っていることを示している。
多少汚いやり方だとは思っても、この際仕方ない。
「この後なにか用事でも?」
「なに突然……、別にないけど」
「じゃあもう少し付き合ってくれよ」
「いいけど、店替えるの?」
首を傾げて聞いてくる繭に、答えるべきかどうするべきか考えて……。
「ホテルでも行かねえ?」
笑ってかわされるか、馬鹿にするなと怒って帰るか、どういう態度に出られるのかわからず身構えていると、俺をジッと見つめ暫く黙りこんでいた女が静かに口を開いた。
「どこの?」
どこって……。