大人的恋愛事情 SS
まさかの返答にどう返すか考えていると、俺を見つめたままでゆっくり微笑み、大人の女が余裕の笑みで呟いた。
「どこでも同じか」
それは俺の誘いに乗ったということ。
そうどこでも同じだ、ベッドさえあれば出来る行為。
違うな、別にベッドがなくてもしようと思えば出来るな。
どうでもいい事を考えながらも、店を出て近くのビジネスホテルへと向かう。
その途中、繭はまったく動揺も見せずにかと言って恥じらうわけでもなく、世間話を続けていて。
ホテルが見えてきたところでふと立ち止まられ、気が変わったのかと嫌な予感に振り返ると、何故か笑ってその横のコンビニを指さした。
「お茶飲みたい」
「は?」
「お茶、緑茶が飲みたい」
僅かに頬を赤く染め、そんなことを立ち止まって訴えてくるその姿が、可愛く見える俺は気が変わったわけではない事にホッとする。