大人的恋愛事情 SS
「脱がして」
「俺が?」
「うん」
一瞬躊躇っていると、目を閉じたまま手を動かし自分で服を脱ぎ出す。
「ここで脱ぐなよ」
動揺する俺が思わずそう言うと、閉じていた目がゆっくりと開いた。
ベッドの横に腰かけ見下ろす俺を、少し冷めたその瞳が捉えると言いようのない欲望が湧き上がる。
マズイ……。
そう思ってその視線から逃れるため、立ち上がり隣のベットに放り投げられたままの髪留めとネックレスを鏡の前に置く。
俺がそうしている間に、シャツを脱いだ繭が起き上がった。
「シャワーする」
ベットから降り、歩きだすその腕を思わず掴む。
「なに?」
そう言って振り返る女の上半身は下着だけで。
憧れていた女のそんな姿に押さえきれないほどの欲情が湧きあがり、思わずその腕を引き抱き寄せた。