大人的恋愛事情 SS
 
「脱がせてよ……」


俺の腕の中で甘く囁かれて、断る事も出来ずにその身体に手を這わす。


スカートのホックを外し、チャックを下ろすと重力通りにスカートが身体から落ちる。


下着にヒールという悩殺的な姿の繭が、顔を上げ俺を見た。


僅かに開かれる唇は、確実に俺を誘っているはずで。


吸い寄せられるようにその唇に触れようと顔を寄せると、笑ってかわされる。


「シャワーが先」


「いいんじゃね?」


「え?」


かわされたキスを無理やり奪っても、たいして抵抗はされず。


軽くするだけのつもりだったキスに、俺自身が溺れ、深く浅くを繰り返す。


さすがに慣れた大人の女は、キスだけで俺の欲情を引き出してくる。


熱い舌に酔った勢いの欲情を絡めてくる繭。


誘ったのは俺だったはずなのに、誘われている気がするのは気のせいなのかそうでもないのか。
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