大人的恋愛事情 SS
すぐ横にあるベッドにキスを繰り返しながら座ると、それに付いてくる繭が俺の肩を軽く押して倒す。
ベッドに沈む俺の身体を跨ぎ、一瞬離れる唇の距離をまた縮める。
溶け合うほどの熱い濃厚なキス。
過去を思い返してみても、ここまで熱くなるキスなどしたことがない気がした。
上にいる繭が唇を放し、身体を起こして俺を見下ろす。
微かに笑い悪戯な色気を出してくる女に、完全に押される俺は思わず視線を逸らす。
なんなんだ?
想像とはまったく違う女。
真面目で堅く、SEXで乱れる姿など想像できなかったはずなのに。
そんな女が、もう一度降りてきて首筋に舌を這わす。
「しなくてもいいの?」
さきほど言った俺の言葉を、こんな時に持ち出す繭は、反応を示す俺の欲望をわかっているはずなのに。