大人的恋愛事情 SS
 
「繭?」


「うん?」


「入れてえ」


「早過ぎない?」


「酔ってる繭の中は、熱くてマジで気持ちいいからな。だから……」


そう言いながら、私の手をそこに持って行く。


思わずその顔を見ると微かに笑っていて……。


「やりてぇんだろ?」


そうしたいのは私……。


だったらできるようにしろと言われているのがわかり、ベルトを静かに外す。


蝋燭の灯りが揺れる室内で、カチャカチャとベルトを外す音が響く。


有名スイーツ店のフルーツケーキ。


少々値の張る高級シャンパン。


淡く揺れる幻想的な蝋燭の灯り。


影になり深みの増す藤井祥悟の色気ある表情。


すべてが愛おしくすべてが私を満たしてくれる。


「座ってよ」


ベルトを外して、ソファへと促すようにそう言うと、愛する男が揺れる灯りの中微かに笑った。


「大胆だな」


大胆でもなんでもいい……。


なんだってしたい。
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