大人的恋愛事情 SS
その体温も、鼓動も、息づかいも、胸に溢れる愛も、傍にいてずっとずっと感じていたい。
「ここで一緒に暮らすか?」
抱きしめる男が優しく聞くので、幸せを噛みしめながら頷いた。
28歳の誕生日は、きっと第一歩なのだ……。
これから藤井祥悟と歩いていく人生の、記念すべき第一歩。
誰がどう言おうと、今間違いなく私は世界一幸せな女だと思えた。
愛しい男に抱きしめられ、抱きしめ返すこの瞬間は何にも変えられない幸せなのだから。
「やっぱ後でしよう」
「どうして?」
そう聞き返した私に、藤井祥悟が優しく包むような大人の色気を出しながら笑った。
「今日は繭のして欲しい事、全部してやるから」
誕生日的事情
【END】