あの夏で
「別れてほしいの」
言葉が、胸に突き刺さる。
「いやだ」
期待だけを込めて、否定した。
みなみ…今なら許せるから。
冗談だって…別れたくないって…。
そう、言ってよ…。
「もうあたし疲れちゃったの。仕事に支障がでるし、毎日病院にくるのだって大変なのよ」
「…………」
「それにゆうき。あなた自身が重いの。いつか死んでしまうあなたが。いつもその突然が苦しいの。つらいの。わかってくれる?あたしのこの気持ち」
わかりたくない。
わかったら別れが待っているから。