あの夏で
「と、智……?」
俺はおそるおそる智の名前をよんだ。
「ねぇ、ゆうき。お願い。先生のところに行かないで。あたしを見てよ…」
智は泣いていた。
直接みたわけじゃないけど、声が震えていた。
「先生はゆうきのこと…ふったんだよ?それでも想い続けるなんて、今までのゆうき
はそんなことしたことなかったじゃん…」
確かに、そうだ。
今までの俺は来るもの拒まずで。
たくさんの女と関係をもっていて。
あのときの俺は最低だった。