あの夏で
yuki,side.
俺は窮屈な病院から抜け出してきて、学校に来たのはいいんだけど、なんだかだるくなって気分転換で屋上に行ったら……。
意外な先客、みなみがいた。
俺が驚いていると、
「中島くん…なんか久しぶりね…」
「そう…だね。先生」
あぁ。前と同じ『中島くん』と『先生』--------。
なんか壁がある感じなのは、前とは違うけど。
「どうしてここに?」
「サボり…かな。ここ、好きだし。保健室の次ぐらいに」
ピクッとみなみが反応した。
伝わってよ、みなみ。
伝わってないフリなんかしないでよ。
やっぱり、俺は、みなみじゃないとだめなんだよ。