あの夏で
〈おーっと中島選手、固まってしまった!そんな紙をひいたのでしょうか!〉
そんな実況の声をスルーしながら、俺はみなみちゃんのほうに近づいた。
「先生、きて」
「え?あ、うん…」
俺はみなみちゃんの手首を掴んで歩き出した。
「ねぇ、みなみちゃん。俺たちがつきあってるのがばれなきゃいいんでしょ?」
「あ…うん。まぁ…」
「なら、みなみちゃん連れて行っていいでしょ?」
俺はひらひらと紙を見せながら言った。
「……!!!!//」
みなみちゃんは目を見開き、すぐに真っ赤になってこくんと頷いた。