君に出会った世界
突然のあの事故から意識が途切れていたらしいが、今、目が覚めた。
どの位の時間が経ったのだろう。
どうして私、こんなに落ち着いていられるんだろうか?
普段は結構テンパって、から回るタイプなんだが。
「うわー真っ暗。ここ何処?」
まだ死んだという自覚がない。
意識だってあるし、身体、声だって今までの私で何の変化もない。
これは死の世界なのだろうか。
暗闇の中を歩き続ける。
こっちであってるのかわからない。
まず、この先に何かあるのすらわからないんだけれど。
死んだらこんな世界にいくんだ。
なんか普通に生きてるみたい。
でももう今までの世界には行けないのだろうか。
「誰かー!いませんかぁー!!!」
叫んではみたもののなんの反応も無い。
このままここに一人でいるなんて無理だ。一人でこの静かな暗闇は恐すぎる。