逃亡少女
第一章 監禁
どうしてここは真っ暗なんだろうか。
「ゆな、ゆな」
どこか遠くから私を呼ぶ声が聞こえる。
でも瞼が重くてなかなか目を開けることができなかった。
(あ、そっか。真っ暗なのは私が目を閉じているからなんだ)
納得のいく答えは見つけられても、起き上がることはできない。
「ゆなっ・・・」
必死な声が私に起きろと言っている。
(無理だよ、だって身体、動かない・・・)
そんなに遠くから呼ぶんじゃなくて、もっと近くで呼んで。
私を助けて。
「ゆな、起きなさいっ」
・・・・・・。
お姉ちゃん。
お姉ちゃんの声だ。
「・・・っ!!」
私は今度こそ飛び起きた。