百鬼夜行と猫の瞳
†Opening
俺が高校に入って二回目の秋がやって来た
少し肌寒いこの季節は、自分の何かを変えるような、そんな気がしてならなかった
授業終了のチャイムが校舎内に鳴り響き、簡単に帰り支度をして席を立つ
鞄を持ち、椅子を入れると静かに教室を出ていく
階段を下り、靴箱へと行くと靴を取り、軽い溜め息を漏らす
何も無い日常
学校へ行き、家へ帰る
休日も一人退屈に過ごす
生れつきの目立つ茶髪赤目のせいか、さして仲の良い友人も居ない
何も変わらない日常
少しは変わった日常にならないものかと何回考えただろうか
スニーカーを履き、靴箱にシューズを戻して歩き出す
校門を出てすぐの桜の木が真っ赤な紅葉に色付いている
ひやりとした秋風に震える自分が、少し情けなく感じられた