百鬼夜行と猫の瞳

自宅に帰り、真っ直ぐに自室へと向かう
部屋に入り、鞄を無造作に机の上に放り投げると、ベッドに体を沈める

机の上の鞄の中から携帯の着信音が聞こえた
体を起こして鞄に手を伸ばした
鞄から携帯を取りだし、画面を開く


その瞬間、爆発音がした


当たり前のように驚いた俺は、思わず携帯を床に落とした

俺の部屋は2階にある
勢い良く部屋を出て、回りを見る
隣には両親の部屋があったが、帰宅してもいない両親の部屋から爆発音がする筈無い

ならば、原因の爆発音がしたのは1階だと考えるのが妥当だろう

自室のドアも開けたままで、恐る恐る一段ずつ階段を下りる

電気を付けていない1階は薄暗く、携帯を置いて来た事を後悔した

下りて行き、リビングのドアを開ける

何も見えないので明かりを付けると、俺は目の前の光景に硬直した

本来、壁があるべき場所にとても大きな穴が空いていた
人一人は入れるくらいのトンネルのようにして空いている穴が

「…嘘だろ…」

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