君はボクの天使?
夜の閉店作業もカミちゃんと一緒だった

二人でふざけながらダラダラ店を閉めて
お店の外に出た

お互い明日も出勤だったので
寄り道もせず喋りながら改札へ向かう途中
私は何故かある歌声に反応してしまった

それは駅前ではよく見かけるギターを片手に歌う、いわゆる流しというやつで
私の大好きな女性アーティストのカバーを歌っていた

声の主はここからは見えないけれど
よく通るちょっとだけハスキーな、いい声だった

「わ、珍しい。この歌、男の人が歌うなんて」

私が言うと、そうですねーと、カミちゃんは興味がないようでスタスタと改札の方へ歩いていってしまった

私も彼女と並んで改札の前まで行ったものの何故かどうしても気になって立ち止まってしまった










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