君はボクの天使?
「そうそう。ちょっと聞きたい事があって、今話してもいいかなぁ?」

「あ、はい!お電話頂けるなんて、嬉しいです。何ですか!?」

彼の後ろから
「おっ!?」とか笑い声とか、何人かの茶化す声が聞こえた
男同士何人かで飲んでいる感じだった

「あの、もしかして今日駅前で歌ってた?」

「あ!それ、俺です!聞いてくださったんですか!?」

間違ってなかった、やっぱそうだった
クマはすごく嬉しそうな声を出した

「うん、たまたま仕事帰りに通りかかったんだけど。クマさん歌うまいねぇ」

「マジっすか?いやー、嬉しいです!ありがとうございます!あ、俺名前、ミクニヤリクって言います。そういえば名乗ってませんでしたよね」

なんだかよく聞き取れなかった

「え!?ミク・・・?ヤリ・・・?ごめん、なんて言ったの?」

私はテレビの電源を切りながら聞き返した

「ミクニヤが名字でリクが名前です。リクって呼んでください!俺も、名前聞いていいですか? 」

「私は、つぐみ」

静かになった部屋に自分の声が広がる

「つぐみさん!素敵な名前ですね。つぐみちゃんて呼んでもいいですか?」

つぐみちゃん・・・

男の人にちゃんづけで呼ばれるのは、なんだか久しぶりの響きだった



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