君はボクの天使?
売り場に戻る前にトイレで歯を磨いた
嫌な種類の胸の高鳴りは未だ落ち着かない

鏡に映るくっきりと描かれた黒のアイライン
その下の重たいつけ睫毛をバサバサさせながら私は真っ赤な口紅を塗る

今日はアイメイクがハードな分
口元は控えめなピンクで抑えてたのに
今の気分はどうしても赤だった
そうでもしないと残りの3時間をやり過ごせなさそうだから

『トモのバカ!』

本人に言えない分、何度も心の中で叫んでいた

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