君はボクの天使?
結婚式にはなんとか間に合う事ができた

色んな昔の知り合いに会った事もあって
帰りの新幹線では疲れがどっと押し寄せてきた

窓際の席で目を閉じると
今日の花嫁のミキちゃんのドレス姿を思い出した

優しそうな旦那さんの隣で
幸せそうに微笑むミキちゃん
本当に羨ましかった

私もずっーと、トモと結婚したくて
変わらず6年も思い続けてきたのに
どうしてだろう神様は不平等だよ

『はぁぁ・・・』

大きい溜め息をつくと眠気が襲ってきた

そのままクラッと眠りに落ちそうになったその瞬間
私の体に
突然昨日のリクちゃんとした
キスの記憶が蘇る

リアルなリクちゃんの感触
柔らかい唇と舌と
背中に回された腕と
優しく頭を撫でる手のひら

記憶を丁寧になぞると
胸がキュッと締め付けられた

リクちゃんは優しくて上手で
私は心も体も溶ろけてしまって
そのまま子供みたいに眠ってしまった

今度はさっきとは違う、甘い溜め息が漏れる

キスしながら触れた
リクちゃんの肩と背中
リクちゃんの金色の髪の中に
手を入れた時のあの、感触

リクちゃんとした長い長いキスは
私の体に染み付いてしまったようだった

乾いた唇を舐めると
なんだか切なくて

私は自分をごまかすように

漂う眠気へと、体を放り出すしかなかった














< 78 / 106 >

この作品をシェア

pagetop