君はボクの天使?
「あれ!?カガくん!?」

そのイケメンは、リクちゃんのバンドのメンバーのカガくんだった

「つぐみちゃん!!」

カガくんは、すいませんお仕事中に、と
マネージャーにペコペコ頭を下げてから私の側にやってきた

「会えて良かったー。俺の事覚えてたの?」

「うん、覚えてたよ。デビューおめでとうございます」

「あ、デビューの事知ってたの?」

私は頷いた
カガくんは、結構目立っている
こんな人通りの多いところに変装もせず来ちゃって大丈夫なのかな
分かる人には彼が誰だか分かってしまうだろう
私は、ソワソワした

「突然来ちゃってごめんね。実は渡したいものがあって」

そう言ってカガくんは、1枚のチケットを差し出した

「今度、ドーム公演が決まったから。つぐみちゃん来てよ」

「えっ?」

なんで・・・?
なんで誘ってくれるんだろう

「でも・・・」

リクちゃんに会うの
なんだか辛い
受け取っていいのかな?

私の複雑な顔に気づいたのか
カガくんは言った

「本当は、リクが直接渡しに行くって言ってたんだけど、あいつ急に臆病になりやがって。彼氏が居たらどうしようとか、言い出してヘタレだよな」

うそ、リクちゃんが?

「え、だってリクちゃんこそ彼女が居るんでしょ?」

「あー、あいつ、どうやらそんな事言っちゃったらしいけど、嘘なんだよそれ」

「え?嘘って、どういう事?」

何がなんだかわからない

「いや、それが・・・」

店頭にお客さんが入って来るのを見てカガくんが声を潜めた




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