百鬼夜行の主~番外編~
―その後
「鬼灯、色々あるが何が食いたいか?」
「そうですね…」
俺は主様に腕をひかれながら、屋台を見て回った。屋台には、色とりどりの物が売っていた。
綿あめに焼きそば、お好み焼きにベッコウ飴、クレープやベビーカステラ。
鉄板な物以外にも、キュウリの浅漬を串に刺したものなど、誰が買うのか聞きたくなるような物もあった。
「あ、鬼灯!リンゴ飴があるぞ!!」
主様が俺の腕を引き、リンゴ飴の屋台に足を進める。
真っ赤な艶のある大小様々なリンゴ飴が、キラキラと輝いていた。
「鬼灯、こいつ買うから少し待っていてくれ」
主様が巾着の中から財布を取りだし、リンゴ飴を買い始めた。
瞬間、
「おい、もうすぐ始まっちまうぞ!!」
誰かの声が聞こえたと思ったら沢山の人が移動し始めた。
「鬼灯!?」
俺と主様は人混みに巻き込まれた。主様とは反対方向に流されていく。
俺は人混みのなかで必死に手を伸ばしてた。