百鬼夜行の主~番外編~
幽side
「鬼灯………」
私は小さな神社の境内に座っていた。石で出来た階段は冷たく、夏の今は心地よく感じる。
鬼灯とバラバラになって、10分位がたった。私はさっき買ったリンゴ飴を見る。
巾着袋から顔を出しているリンゴ飴は、飴が大きく砕けてしまい、リンゴがむき出しになっていた。
私は神社の前の通りを見た。
自分しかいない暗い神社と目の前に通る提灯で照らされた通りはあまりにもかけ離れてるような感じがした。
「鬼灯………」
私は膝を抱え、顔を伏せた。自分の目尻に涙が溜まることを感じる。
心細くって、一人が怖く感じて、私は身を小さくして誰もいない神社で涙を見られないように、顔を伏せ続けた。