百鬼夜行の主~番外編~
ひんやりとした手を繋いだまま、俺は無言で歩いていた。
「…ねぇ、四月朔日君」
「ふぁい!?」
声がひっくり返り、俺は一瞬硬直した。振り替えると凛とした表情の彼女が俺の目をじっと見ていた。
「どうしたの?雪羅さん」
「少し休ませてくれませんか…?鼻緒が切れてて…」
俺は彼女の足元を見た。彼女が履いている下駄の鼻緒が切れていた
「あ…ごめんね。気付かなくて…えっと…」
俺は辺りを見渡し、どこかに休めそうな場所を探した。
「彼処の公園なら…歩ける?」
雪羅さんは恥ずかしそうに俯くと、小さく首を横に振った。
「……………はい」
俺は彼女に背を向け、しゃがんだ。