百鬼夜行の主~番外編~

しばらくして彼女は察してくれたようで、ゆっくりと俺の背中に乗った

あ…やばい。この状況…

首筋に彼女の髪が当たってくすぐったいし、背中から良い匂いがするし…

俺はグッと体の力をいれて、歩き始めた。

「…重くないですか?」

「いえ、俺これでも鍛えてるから。それなりに」

俺はなるべく早足で歩き続けた。本気でやばい…俺は俯いて早足で歩き続けた。

「…四月朔日くん。彼処のベンチにのせてもらって良いですか…?」

俺ははっとして顔を上げた。いつのまにか公園の前まで来ていたのだ

祭りなのに意外なほど誰もいない。俺は近くにあったベンチに雪羅さんを降ろした。
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