秘めた想い~紅い菊の伝説2~
接触
少女は写真を見ていた。
机の上の杉山義男はいつもと変わらぬ笑顔を少女の方向に向けている。少女は消しゴムに書いた義男の名前を確認して頷いた。
大丈夫、今日も誰にも見られていない。
片思いの日々が終わるときがまた少し近づいるのを少女は実感していた。
それにしてもあの女子、鏡美鈴といったか、今日も私の義男君に馴れ馴れしかった。そばに男子が一人いた。どうやらその男子は美鈴に気があるらしい。そいつにしておけばいいのに何で義男君にちょっかいを出すのか。
それにもう一人、目障りな女子がいた。佐伯佐枝とかいった。こいつの方がたちが悪そうだ。美鈴よりもこいつの方が義男君に気があるようだ。いつもそばにいようとする。
邪魔だ、この二人は私にとって邪魔な存在だ。どこかに消えてしまえばいい。
すでに藁人形と赤いロウソクは手に入れてある。後は写真だけだ。少し古いけれども小学校の卒業アルバムがある。その写真を使ってやろう。
少女は卒業アルバムを取り出して二人の写真をカッターで切り取り藁人形の顔にした。 次はロウソク。
百円均一の店で買ってきたライターに火をつけてロウソクを灯す。赤いロウが溶け出し滴り出す。そのロウを藁人形の顔に垂らす。写真を埋め尽くすまで垂らす。憎しみを込めて。
少女は机の引き出しから針を取り出す。
針を「頭」「耳」「首」「肩」「胸」突き立てる。
これで儀式は終わりだ。
邪魔者は私の前から消えるはずだ。
少女がそう思ったとき、部屋の片隅から声が聞こえてきた。
「無理だな…」
それは闇の中から響いてくるような声だった。
机の上の杉山義男はいつもと変わらぬ笑顔を少女の方向に向けている。少女は消しゴムに書いた義男の名前を確認して頷いた。
大丈夫、今日も誰にも見られていない。
片思いの日々が終わるときがまた少し近づいるのを少女は実感していた。
それにしてもあの女子、鏡美鈴といったか、今日も私の義男君に馴れ馴れしかった。そばに男子が一人いた。どうやらその男子は美鈴に気があるらしい。そいつにしておけばいいのに何で義男君にちょっかいを出すのか。
それにもう一人、目障りな女子がいた。佐伯佐枝とかいった。こいつの方がたちが悪そうだ。美鈴よりもこいつの方が義男君に気があるようだ。いつもそばにいようとする。
邪魔だ、この二人は私にとって邪魔な存在だ。どこかに消えてしまえばいい。
すでに藁人形と赤いロウソクは手に入れてある。後は写真だけだ。少し古いけれども小学校の卒業アルバムがある。その写真を使ってやろう。
少女は卒業アルバムを取り出して二人の写真をカッターで切り取り藁人形の顔にした。 次はロウソク。
百円均一の店で買ってきたライターに火をつけてロウソクを灯す。赤いロウが溶け出し滴り出す。そのロウを藁人形の顔に垂らす。写真を埋め尽くすまで垂らす。憎しみを込めて。
少女は机の引き出しから針を取り出す。
針を「頭」「耳」「首」「肩」「胸」突き立てる。
これで儀式は終わりだ。
邪魔者は私の前から消えるはずだ。
少女がそう思ったとき、部屋の片隅から声が聞こえてきた。
「無理だな…」
それは闇の中から響いてくるような声だった。