-Believe- ~始まりの裁判~

しかし、今回ばかりはためらった。
今まで恋愛相談なんてしたことはなかったし、第一、自分の恋愛なんて女神には関係ないことで。
『女神は迷惑がって私のことを嫌いになってしまうかもしれない…。』

夕那はいじめられていた過去があるからか、嫌われることを恐れていた。

しかし、光咲やその友達の日中七美(なみ・14)に相談してもう一週間が経つというのに、未だに解決策は見えてこない。

迷ったあげく、夕那は相談することを決意した。


『女神へ

今回は私の恋愛について相談があります。私の恋愛事情なんて女神は興味ないかもしれないけれど、女神の意見が聞きたいです。
嫌だったらごめんなさい。
相談できるのがもう女神しかいなくて…。

本題なんですが、最近、私の彼氏の様子がおかしいんです。
私に時々素っ気なくなるし、何か心ここにあらず、みたいな感じで…。
それに、彼と他の女の子が話しているのを見ると、嫉妬してしまう自分がいます。
イライラして、自分じゃなくなってしまうみたいで…。

こんな私は変ですか?
返事待ってます』


夕那は『ふぅ…。』と息を一回吐いてから、送信ボタンを押した。
不思議と、心にあったモヤモヤが小さくなったみたいだ。


~♪


「!」

突然携帯電話が鳴った。それは、女神からの返信だった。

いつもこんなに早く返信が返ってくることが無いため、夕那は驚いた。
それと同時に、何て書いてあるのかが気になり、急いで受信BOXを開いた。


『夕那さんへ

迷惑だなんて、そんなことはないですよ。私を頼っていただけて、とても嬉しいです。

さて、本題ですが、
心ここにあらず状態なのは、必ず理由があります。彼には何か気にかかっていることがあるんでしょう。

そして、夕那さんが嫉妬してしまうのも、自然な恋心のひとつであり、変なことではありません。みんな同じなんです。

今はじっと耐えるのです。きっと、時間が解決してくれるはず。
というのも、時間が経てば自然と自分が何をすべきなのかが見えてくるから。

焦らずゆっくり待つというのも、時に必要な事なんですよ



「女神…。」

やっぱり女神はすごい。
夕那は感心した。


メールをもう一度見返そうと、もう一度画面に視線を移した時だった。
しかし、まだ-END-の文字がないことに気づいたのだ。


不思議に思った夕那は、下ボタンを押した。
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