-Believe- ~始まりの裁判~
ただ、それで何も変わらないのなら…。
所詮、相手はその程度だと言うこと。関係が良くなることはないでしょう。
諦める他ありませんわ。
-END-』
「…っ!」
『諦める』
そんな選択肢など頭になかった夕那は、ひどく戸惑った。
夕那が中学一年の時に勇盟学院に転入してきたときから、太一はとても親切にしてくれた。
太一の言葉や行動に、何度助けられ、励まされたか…。
そんなの数えきれない。
夕那は太一のそんなところに惹かれたのだ。今さら、太一が自分のことを好きじゃなくなったからって諦められるはずが無かった。
『太一くんじゃなきゃ、ダメなのに…。
諦めるなんて、無理だよ。』
静かな部屋で一人、涙を流した。