あたしと野球ボールとアイツ
あたしの夏
今グラウンドに見える、風景はいつもと違う。
いつもだったら、たくさんの声が飛び交って活気が溢れてるのに。
今日は、なんだか暗い。
原因は多分、ていうか絶対・・・。
「昨日の試合だよね・・・・。」
ボソリと呟いて、同じくベンチで休んでいる幼馴染を横目で見る。
額からにじみ出る汗が、昨日の試合を思い出させる。
あの試合に勝てば、もしかしたらあたしたちの夢は掴めてたかもしれない。
あたしたちの夢・・・・・。
それは、甲子園に行くこと。
だけど、その夢はもろく崩れて行った。
昨日のことを思い出すと、また涙が出てくる。