あたしと野球ボールとアイツ
同時に、あふれ出てくる涙。
きっとあたしなんかより、修二たちの方が何倍も傷ついてるはずだから絶対修二たちの前では泣かないって決めてたのに。
そんな涙と一緒に出てくるのは、みんなへの罵倒。
違うよ、こんなこと言いたかったんじゃないの。
こんなこと言っちゃいけないのに・・・。
あたしはもう、勢いに任せてボールを拭いていたタオルを投げつけた。
謝ってくる修二。
謝らせたいわけじゃないのに・・・。
ぽろぽろと出てくる本音と涙。
そんなあたしの涙を止めたのは、頭に乗っかった修二の大きな掌。
顔をあげると切なそうな目で、あたしを見ていた。