あたしと野球ボールとアイツ
修二は、あたしを甲子園に連れて行きたかったって言ってくれた。
あの約束・・・忘れてなかったんだ・・・・。
「俺達には、まだ来年があるだろ?」
修二だって傷ついてるはずなのに。
落ち込んでるはずなのに。
あたしは修二に励まされた。
「泣いて、不っ細工な面見せる暇があったら。俺達のケツでも引っぱたいて『グラウンド50周!』とか言ってみろよ。」
「ぶさっ!?」
ニヤリと笑う修二。
もう、眩しすぎるよ。
修二は今まで自分が首にかけていたタオルを、あたしの頭の上にのせた。