あたしと野球ボールとアイツ
あたしたちの夏
「あー!そう言う人は、グラウンド走ってもらいますよぉ!」
修二が驚いてあたしを見る。
何て顔してんの?
必死に部員に訴えかえる修二に、あたしも便乗する。
最初に、生気を取り戻してくれたのはキャプテンだった。
キャプテンの一言でまた、笑い声の飛び交うグラウンド。
修二と同じような眩しさが、部員に戻った。
そんなみんなを見て、あたしたちは顔を見合わせて笑った。
「お~い、そこもいちゃついてないで早く来い!」
先輩に言われて、顔が赤くなる。
「来年は、ちゃんと連れてってね?あたしも、全力でサポートするから!」
ボールを胸元で握りしめながら、言った。