光をくれたのは君だった
早く駅についてほしい
どうしてわたしに構うのだろう・・
さっきの伊東さんみたいに
彼と話したい人なんて
たくさんいるはず
わたしとなんて話したって
楽しくないだろうし
「眞田さんってなんで
ちょっと遠いのにあそこに住んでるの?」
「会社の人と会社以外で
会ったらいやだから」
「あれ、それって隣に住んでる
俺ってかなり嫌な感じじゃない?」
困ったように笑いながら
廣瀬くんはそう言った
「まぁ、正直そうですね」
「あら、ショックだわ
俺はうれしかったのにな」
え?簡単にそんな冗談言うこの人は
なんなんだろうか?
「冗談はやめてください」
「冗談じゃないよ」
顔をあげて彼の顔をみると
すごく真面目な顔をしていた
「マンションも隣で
会社も同じで 俺は嬉しかったよ
だって俺は眞田さんのこと
忘れたことないもん」
「え?」
「てか覚えてないとか
ホント眞田さんって酷だわ」
廣瀬くんの言ってることが
まったくわからない
「もう悔しいから
これ以上言わない」