光をくれたのは君だった

距離


「あれ、莉緒
来るなら連絡くらいしないさいよ」

「ごめんね、お母さん」

今日は土曜日でお休みなので
実家に帰ってきてる

「莉緒、ちゃんとご飯食べてるの?」

「食べてるから安心して」

お母さんは帰ってくる度に
わたしの心配してくれる


それからお昼ご飯を食べながら
お母さんとたくさんお話した


「それじゃそろそろ行くね」

「もういくの?
泊まっていけばいいのに」

「ううん、今日は帰るよ
しょーちゃんに会いに来ただけだから」

「あら、そう...」

お母さんの顔が曇った

家族のことは大好きだけど
実家にいると切なくなる


途中でお花をかって
しょーちゃんのもとへ

ううん、しょーちゃんのお墓へ


お線香とお花を添える


「しょーちゃん

最近変なんだ
距離を置いてるつもりなんだけど
どんどんわたしの中に
入ってくる人がいるんだよ」

彼には壁がない。
だからわたしの中にも
スルッと入ってきた



「でも、もう関わらない」


だって...




「だって わたしはやっぱり
しょーちゃんだけだから」




< 24 / 41 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop