冷血な旦那様と新しい恋 【完結】
昼前に。
非通知の着信がきた。
「もしもし」
『あ、西原さんの旦那さん?西原さん、ここで熱出して倒れてたの!病院つれていきたいけど、保険証とか勝手に見れないじゃない?だから…』
「今行きます。住所、教えてください」
奏未が勝手に借りたアパートの住所を訊いて、
車のキーを握った。
「部長!?どうしたんですか」
「早退する。妻が倒れた。専務に伝えてといて」
今日はこれから大事な会議がある。
「澤田。お前が俺の代わりをやってくれ」