冷血な旦那様と新しい恋 【完結】
触れた左手*奏未side*
揺れる車内。
酔ったかな…、気持ち悪い…。
「具合悪いのか?」
「……大丈夫…。我慢できるから」
迷惑かけたくないよ…。
「ついたぞ」
フラフラする。
風邪ってやだな…。
「ほら。手」
「手?」
「危ないから、奏未。
俺に迷惑とか、思うな。ほら」
そっと手をのせた。
ぎゅっとあたしの手を握った隼斗の手は、大きくて優しかった。
「熱い手だな」
………久しぶりに、隼斗が笑った顔を見た。
やっぱり、かっこいい…。
「行くぞ」
「うん」