冷血な旦那様と新しい恋 【完結】
「……いいよ、隼斗」
次の日。
退院の準備ができた奏未を迎えに行ってからも。
あいつは、一度も俺と目を合わせようとしなかった。
静まり返る病院を出て、家へ戻ろうと車に乗っても。
墓参りのときは助手席に乗っていた奏未は、後部座席に小さく座っていた。
ずっと顔をさげたまま。
「具合、大丈夫か」
俺が話しかけても。
「……う…うん、大丈夫」
乾いた返事をするだけだった。