冷血な旦那様と新しい恋 【完結】
「奥さんに怒られますよね、すいません」
わざとらしく悲しそうな顔をして、
「ていうか、部長…奥さんのことになると、とても焦りましたよね?
……焦ってる部長、かっこよくありませんよ。
あたしなら、クールなままの部長でいれますよ?」
「いい加減にしろ。一人にしてくれ…」
イスから立ち上がった瞬間、携帯が震えた。
……奏未…?
「はい」
『…仕事中に、ごめんね…、家の前で転んで、足くじいて…腕も擦って…立てないの…』
「立てないって?
今まだ外なのか?」
『……うん…転んだ拍子に鍵も落としちゃって…』
「今行くから、待ってろ。ほんの数分」
『うん…』