冷血な旦那様と新しい恋 【完結】
那智が事故に遭ってから、2日が経った。
仕事帰りに必ず寄った病院。
俺が行くといつも、那智のお母さんがいた。
「ありがとうね、悠くん」
涙ぐむその顔が、俺の心を苦しくした。
「那智と話してって」
「はい」
集中治療室の中で、那智を横から見守っていた。
昨日聞いた、医者の話は。
脳死は最悪な場合のことで、目を覚ます可能性のほうが高いらしい。
ただ、目を覚ますのが、今日なのか、明日なのか、一年後なのか――――、
それは、誰にも分からないらしい。